生活に欠かせない電気を問題なく使用するためには、関連する設備の定期点検が必須です。今回は電気設備にまつわる保守・メンテナンスに関する「電気保安点検」について詳しくご紹介させていただきます。
電気保安点検とは、電気設備や電気機器の安全性を確保するために定期的に行われる点検作業です。電気保安点検は任意ではなく、法律によって定められた定期点検であり、施設や設備のオーナーや運用者はこれを遵守することが求められています。
電気保安点検の対象となる「電気工作物(高圧受電)」の使用者・所有者は、法律に基づいて点検を実施しなければなりません。
電気工作物とは、電気を供給するための設備の総称です。
発電所や変電所等の電気の分配にまつわる設備のみならず、オフィス・住宅といった身近な施設を含めて下記の3種類の電気設備が対象となります。
一般家庭や小規模事業所などで使用する600V以下の電圧で供給される電気設備を指します。
電力会社や工場などで使用する、上記の一般電気工作物以外の電気設備を指します。
高圧または特別高圧の需要設備を持つ発電所や変電所などで使用する電気設備で、600Vを超える電圧で供給される事業用電気工作物の事を指します。
電気保安点検は、安全な電気設備を維持し、事故のリスクを低減するために非常に重要です。
定期的な点検によって、電気設備や機器の安全性を確保し、故障や不具合の早期発見、修理が行われます。これにより、火災や感電などの重大な事故を未然に防ぎ、施設や設備の安全性を高めることができます。
法令で義務付けられていることもあり、法令遵守の観点からも重要な作業であると言えます。さらに、保守点検を行うことで、設備の寿命を延ばし、信頼性を向上させることができます。これによって、施設や機器の長期的な安全性と信頼性を確保することができます。
電気保安点検には4つの種類があり、点検内容やタイミングは使用する電気設備によって異なります。使用している電気設備や使用状況に応じてどんな点検を行うべきか、定期的に確認し、適切なタイミングで実施することが求められます。
電気保安点検で求められる点検について、4種類ご紹介いたします。
おおよそ月に1回のペースで定期的に実施する点検です。
使用中の電気工作物の配線状況や保安装置を目視で確認したり、電圧・電力を測定して過負荷がないことなどを丁寧にチェックすることで、電気を使用する際の危険の有無を確認します。
【具体的な月次点検 項目】
・配線状況や保安装置の目視チェック
・電圧、電力の測定による過負荷チェック
⇒設備を停止せずに簡易的に実施できる場合が多い
何らかの異常がある場合は使用責任者に報告し、適切な対応を実施することで安全に使用できる環境に整備します。
点検の内容やタイミングは、電気工作物の種類や使用環境によっても異なるため、詳細は電気保安点検を行う電気管理技術者(電気主任技術者)などに直接確認し相談する必要がございます。
おおよそ年に1回のペースで実施する点検です。
月次点検は目視や数値の測定など設備を停止せずに実施ができる簡易的な点検でしたが、年次点検は月次点検とは点検方法が異なり、電気設備を停電させた上で電気工作物の状況を点検します。具体的には絶縁抵抗測定や機器の内部点検、部分放電・機器温度の測定などを行います。
【具体的な年次点検】
・絶縁抵抗測定や機器の内部点検
・部分放電、機器温度の測定
⇒設備を停止して実施する必要がある
万が一、結果が法律の基準を満たしていない場合は、改善する必要があります。年次点検は停電状態で行う必要があるので、工場の稼働や業務に支障が出ないように事前に業者との打ち合わせを行い効率的に実施することが重要です。
月次点検や年次点検といった定期的に実施する点検とは別で、必要に応じて臨時で実施する点検です。
電気設備が通常と違った挙動をしたり、事故が予想される場合には、定期点検に加えて、臨時点検を実施する必要がございます。
【臨時点検を実施するタイミング(例)】
・湿度等が高くなる梅雨の時期
・落雷等のリスクが増す雷雨が多発する時期
・電線などの屋外設備に影響がでる可能性のある降雪期
このようなタイミングは、通常の使用環境と違ったリスクが生じる可能性が高いため、定期点検に加えて臨時点検を行うことが推奨されます。
電気事故対応とは、既に電気設備に何らかの事故や故障が発生してしまった際に行う点検です。
停電等のトラブルが生じた際は、電気事故の原因を突き止めて再発防止の対策を実施する必要がございます。
低圧配電盤や、キュービクル等の豊富な納入実績を持つ当社であれば、電気設備に関する電気保安点検にも対応することが可能です。
電気設備は工場や建物の稼働に欠かせないため、常に安定して使用できる状態にしておく必要があります。
また、トラブル発生時の迅速な対応と、再発防止に向けた対策も重要となりますので、豊富な実績やノウハウのある当社のような技術会社へご相談されることをお勧めいたします。
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