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老朽化した配電盤を放置していませんか?更新時期の判断基準

1. 配電盤が老朽化することで起こるリスクとは

工場内の配電盤は、稼働するすべての設備へ安定した電力を供給する心臓部ともいえる存在です。しかし、長期間使用された配電盤は、内部の機器や配線の劣化により、さまざまなリスクを抱えるようになります。特に制御機器の誤作動、漏電や発火、絶縁不良などのトラブルが発生すると、生産ラインの停止や火災といった重大な被害につながるおそれがあります。

老朽化によるトラブルは、突発的かつ予測が難しい場合が多く、対応が後手に回ると復旧に多大な時間とコストを要する事態となります。また、古い配電盤は現行の安全基準に適合していないケースもあり、法令遵守や社内の安全基準を満たさないというリスクも見過ごせません。工場の保全担当者にとって、配電盤の更新時期を見極めることは、安定稼働と事故予防の観点から非常に重要な責務といえます。

2. 配電盤の更新時期を見極めるポイント

配電盤の更新時期は、機器の経年劣化だけでなく、使用環境や負荷状況、設備構成の変化など多くの要素に左右されます。一般的には15〜20年が一つの目安とされますが、以下のような状況がある場合は、年数に関わらず更新を検討する必要があります。

  • ・絶縁不良や接点の摩耗により、漏電や接触不良が発生している
  • ・遮断器やリレーなどの作動不良が目立ち、誤作動や遅延がある
  • ・内部の配線や端子に腐食・変色・焦げ跡が確認されている
  • ・追加された設備が多く、既設盤の容量に余裕がない
  • ・メーカーサポートが終了し、交換部品が入手困難になっている
  • ・点検時に異音・異臭・異常発熱などの兆候が認められる

また、運用面では以下のような変化も見逃せません。

  • ・設備の自動化やIoT化によって電源品質の安定性がより重要になった
  • ・生産設備の増設により、電力負荷が当初の設計値を超過している
  • ・増設を繰り返した結果、盤内の構成が煩雑になり保守作業に支障をきたしている

こうした兆候を見逃さないためには、定期的な点検データの記録と分析が有効です。特に、絶縁抵抗値の推移や遮断器の動作テスト、サーモグラフィによる発熱の可視化など、数値と状態を併せて把握することで、更新の適切なタイミングを逃さず判断できます。

3. 更新することのメリットとは

配電盤を計画的に更新することで得られるメリットは多岐にわたります。まず第一に挙げられるのは、安定した電力供給による生産ラインの停止リスクの低減です。最新の配電盤には、より高精度な制御機能や異常検知機能が搭載されており、トラブルを未然に防ぐ体制が整っています。これにより、設備トラブルによる損失や、作業員の安全リスクを大幅に軽減できます。

また、電力の使用状況を可視化できるIoT対応型の機器を導入することで、省エネやデマンド監視といったエネルギー管理も可能になります。これにより、電気使用量の最適化を実現し、光熱費の削減にもつながります。さらに、最新の安全基準に準拠した構造にすることで、労働安全衛生や法令への対応も強化され、第三者からの監査時にも安心して対応できる体制を構築できます。

更新工事時に合わせて配線の整理や、過去に追加された機器の見直しを行うことで、制御盤全体の視認性や作業効率も向上します。メンテナンス作業の時間短縮や人的ミスの防止にも寄与し、長期的な運用コストの低減につながる点も見逃せません。

4. 配電盤更新の適切な進め方と注意点

現状調査と設計準備

配電盤更新の第一歩は、既存設備の現地調査です。回路構成やブレーカー容量、接続機器、使用環境などを実態に即して把握し、図面との整合を確認します。特に図面の欠落や実態との乖離がある場合、現場ベースで正確な「現況図」の作成が必要です。これをもとに、将来的な設備増設や電力需要の変化にも対応できる設計を行います。

工事スケジュールと操業影響の最小化

更新工事では電源を一時的に止める必要があるため、生産への影響を最小限に抑える工事計画が求められます。代表的な対策としては以下があります。

  • ・工場の長期休暇期間を活用して一括更新
  • ・主要機器を優先して夜間・休日に分割施工
  • ・仮設配電盤や発電機を設置し、必要回路を維持したまま更新実施

このように、生産計画と密に連携しながら、安全かつ効率的に工事を進める工程管理が必要です。

機器選定と将来対応性

使用機器の選定では、汎用性の高い現行品を優先し、長期保守性や標準化を意識します。可能であれば同一型番を拠点間で統一し、部品ストックや教育の効率化を図ると、将来的なコスト削減にもつながります。また、省エネ対応機器やIoT対応機器の導入を通じて、電力使用量の見える化や効率化を図ることも重要なポイントです。

施工と引き渡しのポイント

施工時は安全第一です。ロックアウト・タグアウト(LOTO)を徹底し、作業区域を明確化します。工事後には、以下の点を必ず実施します。

  • ・絶縁抵抗・接地抵抗の測定
  • ・遮断器、漏電遮断器の動作確認
  • ・作業記録と点検結果の文書化
  • ・回路図や負荷表、保守マニュアルの整備

これにより、引き渡し後の保全作業やトラブル対応がスムーズに行える体制を整えることができます。

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島田産業では、老朽化した配電盤の診断から設計・施工・試運転まで一貫対応が可能です。豊富な現場経験を活かし、工場の稼働に配慮した最適な更新プランをご提案。万が一のトラブルを未然に防ぎ、生産の安定稼働と安全性の向上を実現します。

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