電柱やポールを設置する「建柱工事」は、電気・通信・監視カメラ・照明などの設備を屋外に設ける際に不可欠な基礎工事の一つです。特に工場や倉庫、商業施設では、屋外照明・引込線・監視設備・ゲート周辺の電源供給など、さまざまな用途で建柱が必要とされます。
本コラムでは、建柱工事を計画・管理する立場の方に向けて、その必要性、注意点、施工の流れや柱選定のポイントまで、わかりやすく解説いたします。
■ 建柱工事とは?なぜ必要なのか
建柱工事とは、電柱(柱)を地中に埋設して立てる工事を指します。
電線や照明、カメラ等の設備を高所に安全に設置するための“支柱”としての役割を担います。
● 代表的な用途
- 高圧・低圧電力の引込ポール
- 屋外用のLED照明・投光器設置
- 監視カメラ・センサー設備用ポール
- 駐車場・搬入口などの防犯灯ポール
- 自家消費型太陽光の架台ポール基礎
柱を立てることで、設備が安全に保持され、地上部の配線や施工がしやすくなるという利点があります。
■ 建柱工事の主な種類と柱の選び方
建柱に使用されるポールの材質や寸法は、用途や荷重条件によって異なります。
● 主な柱の種類
- コンクリート柱(C種柱):電力会社の引込ポールや照明用に多く使用。高耐久で安定性が高い。
- 鋼管柱(鋼製ポール):カメラやセンサーの設置に適しており、意匠性にも優れる。
- FRP柱・アルミ柱:軽量で施工性が高く、腐食の影響を受けにくい。
柱の長さ(高さ)は設置する機器や配線のクリアランスに応じて4m〜10m前後が一般的。
また、風荷重や設備重量に応じて根入れの深さ(通常柱長の5〜6分程度)も適切に計算されます。
■ 建柱工事の施工手順(一般的な流れ)
- 位置出し・掘削
- 墨出し後、建柱車や重機で掘削。掘削深さは柱長に応じて設定。
- 基礎準備
- 砕石を敷き転圧後、支持ベースやブロックで柱底部を安定化。
- 柱建て・垂直確認
- クレーンや建柱車で柱を設置し、水平器やレベルで垂直を確認。
- 埋め戻し・転圧
- 仕上げ・整地
- 束石や表面仕上げを行い、必要に応じて根巻きコンクリートを施工。
※必要に応じて、アンカー・引張金具などの補強を併用します。
■ 工事における注意点とリスク管理
建柱工事は屋外で行われることが多く、地中条件や安全管理に十分な配慮が必要です。
※業者によっては実施しない項目もございます。
● 地中埋設物の確認
- 水道管・ガス管・通信ケーブルなどの埋設物が地中にある場合、誤って損傷させると大事故につながります。
事前に地中埋設物調査(ユーティリティサーベイ)を実施し、掘削位置を確定します。
● 柱の傾き・沈下
- 不均一な地盤では、施工後に柱が傾くリスクがあります。基礎材の選定としっかりとした転圧が不可欠です。
● 落下・巻き込み事故の防止
- クレーン作業や建柱車作業中は立入禁止措置を行い、作業者の動線確保と声掛けが必要です。
■ 計画段階で押さえておきたいポイント
- 柱の種類・寸法・荷重の確認
→ 取り付ける機器の重さ・高さを考慮して選定します。
- 施工場所の地盤条件と周辺環境
→ 隣接する建物や設備との距離を確保し、影響を与えないようにします。
- 将来的な増設や更新の可否
→ 複数の配線が後から追加される可能性がある場合、余裕のあるポールや配管を準備しておくと効率的です。
■ まとめ|建柱工事は安全・耐久性・将来性のバランスが重要
建柱工事は、ただ柱を立てるだけでなく、その後の電気設備運用を支える重要な基礎インフラです。
適切な柱の選定、安全な施工、将来を見据えた余裕設計が、トラブルの少ない設備環境を作ります。
建柱工事のことは当社にお任せください!
>>お問合せはこちら!