ビルや工場の安定稼働を支えているキュービクル(高圧受電設備)。
「まだ動いているから大丈夫」と思い込み、更新のタイミングを見逃していませんか?
老朽化したキュービクルは、突然の停電・火災リスク・高額な修繕費用を引き起こすだけでなく、万一の事故発生時には管理責任の問題にも発展する恐れがあります。
近年では、電力会社の点検結果を受けて「改善報告書」が発行されるケースも増えています。しかし、こうした指摘を受けてもそのまま対応を先送りにしてしまうと、設備リスクが高まるばかりか、重大なトラブルに発展する可能性があります。
電気設備には、電力会社と需要家側の管理範囲を明確に分ける**「責任分界点」が存在します。キュービクルの受電点以降は、電力会社ではなく需要家の管理責任となりますが、ここで注意すべきは、実務上その「需要家」の中でもさらに管理者(設備担当者)と所有者(オーナーや経営層)**で立場や判断権限が異なる点です。
管理者は日々の点検や維持管理を担う立場ですが、更新などの大きな投資判断は所有者・経営層の承認が必要になる場合がほとんどです。そのため、老朽化リスクや改善報告書の存在を正しく共有し、早期に適切な対応を検討してもらうための働きかけが非常に重要となります。
事故やトラブルが発生した場合、管理不備として責任を問われるのは管理者だけでなく、設備の所有者・経営者にも及ぶ可能性があります。両者が連携し、リスクを正しく認識したうえで、計画的な更新を進めることが求められます。
キュービクルは長期間使用できる設備ですが、見えないところで確実に劣化が進行しています。トラブル発生後では、対応にかかる時間や費用も膨らみ、事業運営に大きな影響を与えることになります。
「改善報告書を受け取っている」「更新のタイミングに迷っている」といった場合は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。