キュービクルは、工場やビルで高圧の電気を受け取り、利用可能な低圧に変換して建物全体に供給するための「受変電設備」です。この設備を利用することで、効率的かつ安全に電力を供給できます。では、電気がどのようにキュービクル内を通過し、最終的に私たちの生活に使われるかを見てみましょう。
まず、電力会社から送られてくる高圧電気(通常6600ボルト)は、PAS(ポールマウントエアスイッチ)を使ってキュービクルに引き込まれます。このPASは、電柱に設置されており、高圧電気を安全にオン・オフするための装置で、遠隔操作も可能です。PASはキュービクルへの電力供給の入口として重要な役割を果たします。
引き込まれた高圧電力は次に断路器を通ります。この装置は、メンテナンスなどで安全に作業を行うために回路を完全に遮断する役割を持っています。断路器は負荷がかかっている状態では操作できませんが、安全性を確保するために欠かせない装置です。
その後、高圧負荷開閉器に電気が流れます。この開閉器は、負荷電流がかかった状態での開閉が可能で、通常の高圧電気の制御を行います。また、高圧ヒューズが設置されており、過電流や短絡が発生した場合にはヒューズが溶断し、回路を守ります。これにより、変圧器やその他の重要な機器を保護し、事故を未然に防ぐ役割を果たしています。
次に、電気は変圧器に送られます。変圧器は6600ボルトの高圧を100Vや200Vといった利用可能な低圧に変換する装置です。この変換により、電気は照明や家電などで安全に使える形になります。高圧を低圧にすることは、建物内での使用において非常に重要です。
変圧された低圧電気は、低圧遮断器を通ります。この遮断器は、過電流が発生した場合に回路を自動的に遮断する機能を持っています。この保護機能により、電気設備や建物内の安全性が確保されます。異常時には、電気供給が停止することで、設備の損傷や火災のリスクを減少させます。
最後に、低圧に変換された電気は低圧配電盤へと送られます。この配電盤から電気が建物内の各機器や設備に分配されます。配電盤内には配線用遮断器が設置されており、個々の回路ごとに過電流が発生した場合には即座に遮断し、安全性を確保します。これにより、各設備が安心して電力を使用できるようになります。
キュービクルは、電力会社から引き込んだ高圧電気を、断路器、負荷開閉器、ヒューズ、変圧器、低圧遮断器、配電盤といった装置を経由し、最終的に建物内で使える形に変換して供給します。このプロセス全体を通じて電力の安定供給と安全を両立させることができ、私たちの生活や業務が円滑に進むよう支えています。キュービクルはまさに、日々の生活を守る「縁の下の力持ち」なのです。
キュービクルについてのご質問やお困りごとがございましたら、ぜひ島田産業にご相談ください。専門のスタッフが最適な解決策をご提案し、皆様の電力設備の安全と効率をサポートいたします。