
非常用発電機の設置工事は「機械を置いて配線する」だけでは終わりません。停電時に動かしたい負荷(設備)を整理し、容量を決め、設置場所の換気・排気・燃料・騒音、切替方式(自動切替など)まで計画して、最後に試運転で“本当に動く状態”を確認して初めて完成します。
さらに、非常電源として運用する場合は、機器点検・総合点検といった定期点検や報告の考え方も、設置段階で織り込むと後戻りが減ります。消防用設備等の点検では、機器点検(6か月)・総合点検(1年)といった期間の考え方が示されています。本記事では、非常用発電機の設置工事を「失敗しない順番」で解説し、工事後の運用まで見据えた進め方をまとめます。
非常用発電機の設置工事が必要になる場面は大きく2つあります。1つ目は、工場や倉庫で「止められない設備」があり、停電による生産停止・品質事故・安全リスクを減らしたいケース。2つ目は、施設の防災計画として、消防用設備等へ電力を供給する非常電源(自家発電設備)として整備するケースです。非常電源として位置づく設備は、設置後も点検・記録・報告の運用が前提になるため、設置工事の段階で“誰が、いつ、何を点検するか”を決めておくと後で揉めにくくなります。
また現場では、発電機の起動に数十秒〜数分かかることを踏まえ、瞬低対策としてUPS(無停電電源装置)を併用する設計もよく検討されます。UPSは停電直後に短時間のバックアップを担い、その間に非常用発電機の起動時間を確保する考え方が紹介されています。
「発電機だけで全部を守る」のではなく、守る負荷の優先順位(重要負荷)を決めて、電源設備を組み合わせるのが現実的です。
設置工事は、順番を間違えると追加工事や工期延長が起きやすい領域です。
基本は
①目的・重要負荷の整理(何を守るか)
②現地調査(設置場所・搬入経路・既存電源盤・換気/排気・燃料設備の可否)
③基本設計(容量、切替方式、自動切替盤、配線系統、燃料方式、騒音対策)
④見積・工程計画(停電可否、休日夜間対応、試運転日程)
⑤据付・配線・燃料/排気工事
⑥試運転・切替試験・記録整備
という流れです。特に②現地調査では、据付スペースの寸法だけでなく、搬入ルート(扉・段差・床耐荷重)、排気の取り回し、給気・換気量、燃料タンクの配置や法令対応、メンテナンススペース確保が重要です。ここを曖昧にすると「置けたが点検できない」「排気が通せない」「騒音が想定より大きい」など、完成後に問題化します。
島田産業は、機器の仕入から設計、納品(工事)まで一気通貫で対応できる体制を掲げており、工程調整を含めて相談しやすいのが特徴です。
容量選定でよくある失敗は「とりあえず大きめ」か「既存の契約電力や変圧器容量だけで決める」ことです。発電機は、停電時に守りたい負荷(重要負荷)をリスト化し、起動順序・同時運転・突入電流(モータ起動)・将来増設を踏まえて決めるのが基本です。守る負荷の例は、受変電・制御の中枢、冷凍・空調の一部、サーバ・監視、非常照明、安全系(排煙・消火関連)など。逆に、停電時に停止しても許容できる設備は切り離すことで、容量も燃料も現実的になります。
さらに、自動切替(ATS)を採用する場合、切替対象回路をどう分けるか(重要負荷盤を別系統化するか)がポイントです。ここを設置工事の途中で変えると盤改造や配線のやり直しが発生します。
また、UPSのような瞬低対策を併用する場合は、UPSが守る負荷と発電機が守る負荷を分け、停電直後〜発電機起動後のシーケンスを設計段階で決めます。UPSが“起動待ちの橋渡し”になる考え方は、工場の停電リスク対策として紹介されています。
設置工事で揉めやすいのは、電気工事よりも周辺条件(環境・保全・運用)です。代表例は、①排気(屋外への経路、近隣・作業者への影響、熱・臭気)、②給気・換気(発電機室の温度上昇、換気不足による性能低下)、③燃料(軽油等の保管方式、補給動線、漏えい対策)、④騒音・振動(夜間稼働や境界対策)、⑤メンテナンス動線(点検スペース、消耗品交換、バッテリー交換)です。
ここで重要なのは「設置できる」より「運用できる」状態にすること。消防用設備等の非常電源として運用する場合、設置後も点検・記録が前提となり、機器点検(6か月)・総合点検(1年)といった点検期間の考え方が示されています。
つまり、点検者が安全に作業できるスペースや、点検時の切替・試運転を想定した盤構成を、最初から用意しておく必要があります。
「今は置ける」ではなく「6か月後、1年後に点検できる」まで含めて設置計画を組むと、長期のトータルコストが下がります。
設置工事の最後は、試運転と切替試験です。ここで確認するのは、
①停電模擬→自動起動→規定回転・規定電圧への到達
②自動切替(ATS)の動作
③重要負荷への給電
④警報・表示・遠方監視の整合
⑤換気・排気の状態
などです。
非常電源としての自家発電設備では、点検の枠組みの中で負荷運転に触れられており、負荷運転は実負荷または擬似負荷装置で実施する考え方が整理されています。また負荷運転の目的として、供給中に異音・漏油等の異常確認や、排出系統内の未燃燃料の除去に触れられています。
設置直後にどこまで確認するかは、設備の用途・所轄の運用・保守計画で変わりますが、少なくとも「誰が見ても再現できる記録」(試運転条件、測定値、異常の有無、対応)を残すと、次回以降の点検・更新が一気に楽になります。
非常用発電機の設置工事で多い質問をまとめます。
Q1「工期はどのくらい?」
設備規模と周辺工事(基礎・排気・燃料)で大きく変わるため、まず現地調査で“追加工事の有無”を確定するのが近道です。
Q2「容量はどう決める?」
守る負荷を決め、同時運転・起動順序・突入電流まで含めて決めます。
Q3「UPSは必要?」
発電機起動までの“橋渡し”が必要な負荷(サーバ、制御、瞬低に弱い機器)がある場合に検討します。UPSは停電直後に短時間のバックアップを担い、その間に非常用発電機を起動する考え方が紹介されています。
Q4「設置後の点検は?」
非常電源としての消防用設備等の点検では、機器点検(6か月)・総合点検(1年)の枠組みが示されています。
Q5「関西で相談できる?」
近畿圏対応を明記しているため、関西エリアの相談窓口として利用できます。