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2026年度から始まる変圧器の新基準「トップランナー第三次判断基準」

2026年度より、変圧器に関する新たな省エネ基準「トップランナー第三次判断基準」が適用されます。変圧器は電力の安定供給に欠かせない機器であり、これまでの基準を超えた高効率な製品が求められる時代に突入します。ここでは、工場や建屋の管理者の皆さまに向け、この新基準がどのように影響するか、そして準備すべきことについて解説します。

新基準の背景と変更点

現行の「トップランナー2014基準」は、省エネ性能を高めるために導入され、普及が進んできました。しかし、さらなる効率向上を目指し、2026年度からは第三次判断基準が適用されます。これにより、現在の基準では製造や出荷が許されていた油入変圧器やモールド変圧器の多くが市場から姿を消します。

新基準では、変圧器の種別、相数、容量などによる24区分ごとにエネルギー効率の目標値が細かく設定されます。この厳格化により、より効率的な製品が普及し、エネルギー損失の削減が期待されています。

旧型変圧器の課題

2021年度時点で国内の変圧器稼働台数は約386万台と推定されています。そのうち約57%は2001年以前の基準で製造された製品であり、エネルギー効率が低く、無駄な電力損失を生じさせています。これらの変圧器は更新時期を迎えており、新基準適合品への置き換えが推奨されます。

管理者が準備すべきこと

管理者の皆さまにとって、2026年度以降に向けた最優先課題は、設備更新計画の策定です。以下の点に注目してください。

  1. 現状の確認: 現在使用している変圧器の基準と効率を調査し、更新が必要な機器を特定します。
  2. 更新計画の立案: 新基準に適合する製品への置き換えスケジュールを作成します。特に、稼働開始から20年以上経過した変圧器は重点的に検討してください。
  3. コスト試算: 新基準適合品は初期投資が増える可能性がありますが、長期的な省エネ効果で運用コストが削減される点を考慮し、投資対効果を試算しましょう。

新基準のメリット

新基準に適合した変圧器は、現行基準よりも約12~17%の効率向上が見込まれます。また、1981年の古い基準との比較では約46%もの省エネ効果が期待できます。この効率向上により、電力使用量が削減されるだけでなく、温室効果ガスの排出削減にもつながります。

結論

2026年度からの「トップランナー第三次判断基準」は、単なる規制ではなく、持続可能なエネルギー活用を実現するための大きな転機です。工場や建屋の管理者の皆さまは、早めに準備を進めることで、効率的で環境に優しい運用体制を構築できます。この変化を機会として捉え、エネルギー効率化への第一歩を踏み出しましょう。

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